いや〜興味深いっ! レポート/URUSHIふしぎ物語展

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行ってきました浦添市美術館。

参加しましたURUSHIふしぎ物語展の特別講演。

国立歴史民俗博物館の日高薫さんのお話は

専門ではない私にもわかる、興味深いお話でした。

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宮里館長のご挨拶。右端が日高さん。

 

漆文化は古い古いとは聞いていたけど、

まさか12,600年も前から日本に存在していたなんて!

しかもウルシは日本には自生しない渡来植物だと考えられているのだと。

ということは、そんな前に渡来していたのか、はたまた植林していたのか?

意外だったのは、そういうことがわかり始めたのは最近だということ。

新しい分析方法により、いろーんなことが解明されてきているらしい。

 

展示にはその12,600年前の縄文時代のウルシの木片が展示されてます。

これ見たけど。。。何がすごいって、こんなほっそーい細かい木片を

ウルシの木片だ!と発見した人がすごいと思うわー。

私だったら、黒いゴミと思ってすぐに。。。以下自粛。

 

この分析により、琉球で作られた漆器からは、日本あるいは中国産だけでなく

ミャンマー産やベトナム産などの漆も検出されたらしい。

すごいよね〜。小国なのにたくましいよね。

 

講演の最後の方は、日高さんのご専門の漆の歴史の話。

16世紀頃、海外に輸出された漆器たちの話は、私の大好物でありました。

かつてルーブルやギメ博物館へ行った時、漆の調度品やらが

割と無造作にがががっと展示されており、キャプションにも

詳しいことが書いてないというのを見ました。

この中に、きっと琉球王国産のものがあるに違いないっ

と思ったのでした。

だからもっといろんなことが解明されたらいいなと切に思うのであります。

貝摺奉行所も、そっと器の裏とか、見えないところにでも「made in 琉球王国」

とか刻印しておけばよかったのに。。。

 

この展覧会、私がいうのも何ですが、総合的に漆文化を網羅した

コンパクトな展示になっています。つまり私のような漆初心者にも

わかりやすく楽しい内容です。専門の方なら尚興味深いと思います。

ぜひ足をお運びください。

 

漆の加飾が見事な釣り道具やら、ブキミかわいい伎楽のお面が

衣装とともに展示されていたり、秀吉とねねが愛用した。。かもしれない

ポットが展示されていたり、あ、これこんな風にカジュアルに書いてるけど

国宝だからね。あと、ウサギの耳とか葵の葉っぱを頭につけて

絶対に戦う気なんてないよね、と思わせるような兜とかね。

あ、これも結構大変な展示物よ。これ以上は怒られるから書かないけど

とにかくいろんな漆にまつわるものが展示されていて楽しいですよ!

 

そして今回は何と言ってもこれ!

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ジャーン!図録です。2センチぐらい厚みあるよ。

 

これはズゴイ。最新の科学的な分析結果から

何から何まで載っている。まさに辞典のよう。

この中でも琉球王国の漆は章立てて書いてある。

やはり特殊な発達を遂げているのですね〜。

ちょっと誇らしい気持ちになりました。

値段も2500円(税込)とスゴイけど、買って損なしでした。

 

10月6日と13日の18時〜19時は、宮里館長による

フライデイイブニングトークがあるらしい。

また土曜日、日曜、祝日の14時からは、学芸による

ギャラリートークもあるので、解説聞きながら見られます。

イヤホンガイド使ってもいいかもね。

 

あっという間に終わっちゃうのでお早目にね。

 

 

NPO法人アートリンク理事長

宮島さおり

 

 

 

 

 

2017年9月15日ー10月22日
9:30〜17:00金曜日は19:00まで
一般800円
浦添市美術館

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